Q1住宅とパッシブハウス2

前ページ図2の(2)仕様のグレードと、ドイツのパッシブハウス基準の縦線を比べると、III地域の郡山と IV地域以南の太平洋側の都市が、ほとんど基準をクリアしています。
(3)仕様は、工法的に許されるだろう範囲で仕様を上げてみた場合です。

北海道でもパッシブハウスの基準を満たすことができそうです。
しかし、日本海側や旭川より寒い地域ではちょっと無理そうです。
IV地域は北海道の(1)仕様のグレードの住宅を建てた場合に相当しますが、ほぼ無暖房住宅になっています。
その詳細な計算結果は下図に掲載しました。

45都市あるので、お住まいに近い都市のデータをご覧ください。
(1)仕様~(3)仕様のグレードの仕様詳細も書いてあります。

年間暖房負荷15KWh/m2という数値

パッシブハウスが、年間暖房負荷15kwh/m2以下にする根拠を聞いたとき、私は脱帽する思いでした。
換気システムで供給した新鮮空気を52℃に暖めるだけで暖房が足りてしまう数値なのです。

私たちがQ1.0住宅の基準を、次世代省エネの1/2~1/4という単に切りがいい数値にしたのとは大違いです。
しかし、日本でもこの数値で良いかどうかは、これから議論したいところです。
IV地域ではQ1.0住宅の(2)仕様、(3)仕様グレードの住宅はどんな暖房システムを採用すべきか、暖房がいるのか不要かが全くわかりません。
熱容量の少ない日本の住宅でも、これを増やすと暖房はほとんどいらなくなりそうです。

何よりこうした仕様の住宅がIV地域に建っている例は極めて少ないので、実際どうかがわかりません。森さんの鎌倉の家、あるいは新住協の岐阜の土塗り壁の家などからいろいろわかってくるのではと期待しています。